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2012年3月25日 (日)

Born to Run : Christopher McDougall

Born
Christopher McDougall著

日本では『Born to Run 走るために生まれた』として出版もされている。フィクションではありません,全て実話です。

本国で評判になってからかなりたって読んだが,特にランニングを楽しんでいる人にはオススメの一冊。

ただ,僕みたいな屁理屈"why系ランナー"向けかな。(笑)


邦訳本を少し立ち読みしてみるとかなり直訳調で,英文の躍動感・生活感・野生感が伝わってこない感じ。こういう内容なら,村上春樹氏が翻訳してくれたら,もっとランニングする人間の気持ちに寄り添った邦訳になったと思うがどうだろう。

邦訳は400ページ,原書は290p。けっこう英語としては読みにくかった。著者の語彙が非常に幅広く,米口語・俗語からラテン・スペイン・英国英語・フランス語語源,あるいは借用の単語が多く,私の知らない語彙がかなり多い。辞書をひくことが多かったのは事実。スッと読み通せる英語力が無い自分に腹が立つが,自分の弱い語彙エリアが強化されることを思えば読んだ甲斐はある。医学用語,人体組織に関する用語にも強くなれるいい機会だ。実際,読み終えるとかなり語彙が増えている。

barefoot好きのランナーがこの本にたどり着くことが多いようだが,どちらかと言うとトレイルランナーやウルトラランナーの方が共感して読めるはず。トレンドとしてはnatural / nature runningがキーワードなんだが,ここらへんはウルトラトレイルを走る方で米国ランニング事情をご存知の方はピンとくるかも。(実は単に「自然を走ろう」ではない)

現代ランニング事情に関する分析やスポーツ用品メーカー批判は,barefoot running信奉者でなくても,natural running開眼したランナーには共感できる部分が多い。ただ,現代シューズが性能の良さ故に逆に怪我を誘発しているという話は意外にアッサリ。やっぱり山岳ウルトラの描写にページが沢山割かれている。

前半のタラウマラ族に出会うあたりのエピソードは長くて読むのが大変だが,後半最後のunderground ultra raceのあたりから最後まではドキドキしながら一気に読み通せ,さながらウルトラマラソンのラストスパートといった感じか。三浦しおんの小説を読み終えた感覚に類似しているし,ウルトラ大会後の会場は世界中どこにいっても同じなんだなぁと思う。

実在のウルトラランナー,Caballo Blancoがプロデュースしたこのレースは,今でもCopper Canyon Run and Ultra Marathonとして続いているらしく,石川弘樹氏も参加して2位に入っている。(あまり順位に価値を置かない大会だが)本の中では,あのScott Jurekが登場,レースだけでなく参加前後のエピソードやハメを外しすぎた仲間たちとのエピソードも最高に楽しい。彼の地では自由に手に入らない『水』を中心にランナーたちが七転八倒しまくる話のくだりは,給水でえらい目にあったことがあるランナーには共感を呼ぶ。(本当に水分が枯渇したら,あなたは最後に何を飲みますか?・・・・本書では・・・・ウフフ)

読み進めるうちに,登場キーパーソンであるCaballo Blancoの存在を中心に,それぞれの登場人物にとって『走るって何だろう』って考えるようになる。それぞれのランナーに,わざわざこんな辺鄙な山岳にきて,商品がトウモロコシの大会を走る理由はある。僕には,大会後の夜にランナーでもあるオーガナイザーのCaballo Blancoが,参加ランナーと地元民が余韻を楽しむ光景をビールを飲みながら微笑ましく見つめているシーンがとても印象的だった。(Chapter 31)

自分も,タイムを競うレースではなく,underground ultraを気のあった仲間と走りたい,実施してみたいという気にさせる。自分の居住地の近くで開催してみたくなる!(実は勝手にウルトラレースを●●でやりたいと思っているんだが・・・)まあ,まずは怪我が治んないとね。


"I'd only competed against the course, not the racers."
「相手と競争したんじゃない,コースと競争したんだ。」

これですよ,これ。自分はこれに近い。


筆力がある著者だが,簡潔に表現するタイプではなく文字数でどんどんカバーする感じなので,とにかく本に分量がある。自分は細切れ時間を見つけて読み進めたが,ぜひともできるだけ(特に後半は一気に)読むことをオススメする。邦訳版と原書では,訳者には惡いが文学レベルとしては明らかに差があるので,原書で読める方は時間がかかってもぜひオリジナル読破ををお勧めしたい。(あるいは村上春樹訳をみんなで要望しよう!)ランニングに関する名言・格言も満載ですので,自分なりに書き留めてみてもいいかも。(Caballo Blancoの言葉に注目!)

タイムを気にして,メーカーに乗せられて何の疑問も持たず,最新のランニング理論やウェア,シューズをまとっていたランナーが,何故自分が走るのかをもう一度問い直す。気がつくとアスファルトではなく自然の中を颯爽と駆け抜けたくなるような気にさせる好著だと思う。ランニング関連本としてはなかなか出会えないタイプの本だ。トレイルラン,ウルトラランニングをする人も共感度高いだろうし,トレラン未経験の人は野山を駆け巡ってみたくなるかも。

日本は山に恵まれているんだし,時々でもしいからこんな野性味あるランニングライフを送りたいね!

・・・とは書いたものの,邦訳本でも十分楽しめますのでご心配なく。

とにかく前半は我慢して読んで下さいね。

本に出てくる"Caballo"はここからリンク。
http://www.caballoblanco.com/

コウフンの(今は有名になってしまったが)undergroud ultra marathonこと"Copper Canyon's Ultra Marathon"はサイトもありまする。
http://coppercanyonultra.com/

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コメント

ももさん

意外な展開になってますねぇ。
みなさんそれなりに思う所があるみたいですねぇ。

本当はそこまでの質問じゃなかったんでしょ・・・・・?

ただいまfacebookで、静かに盛り上がってます。
話題提供者として、困ったなぁ・・・

「スーパーカー」ってもう死語ですかね?(笑)
僕も元気だったら見に行くんですけどねぇ。

Born to Runはさみさんなら面白いと思います。前半はまったり話が進むのですが,後半は面白いですよ。前半チョロ読み,後半一気に,ですわ。

トレランは「トレーニング」だと思うとダメですが,魂の解放手段だと感じると最高ですね。

僕は,走っている途中でふと立ち止まる林の中が大好きです。

出会う鳥や蛇もね。

西ももさん ご無沙汰しております。原書のBORN TO RUNですか。今度の土曜にVecchio Bombinoのスタートを観に護国神社に行くので、その後紀伊国屋にでも寄って探して見ます。最後まで読破できるか、自信がありませんが。
昨日正木山を試走してみて、やっぱり山を駆けるのはシンドイけど楽しいと、改めて実感しました。

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