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2012年5月14日 (月)

『アルバニアインターナショナル』(井浦伊知郎:社会評論社)

Alb

なんでこんなに人目を引く装丁にしたんだろう?

かなり特殊な本かもしれない。

そもそも,バルカン情勢に興味がなければ『アルバニア』という国さえ聞いたことさえんない人がほとんどでは?

一時期はほとんど鎖国状態の社会主義国家だったようだが,指導者が代わり,体制も代わって内情がわかりやすくなったようだ。それでもほとんど日本に情報が入ってこない国である。(周辺国家はかなり報道される)

本書は,装丁が妙に挑発的にもかかわらず,内容は全く真面目なアルバニア本。ただでさえ情報の少ないこの国を,少しでも関連のある45カ国をキーにして非常に詳細に記述してあり,一冊読むとアルバニア語だけでなく周辺事情もかなり詳しくなれる。バルカン情勢や民族情勢がよく分かるようになる。(セルビア・ボスニアや今のギリシャ状態も納得がいく?)

国家境界線と民族分布が全く一致せず,ヨーロッパの大国が絡んでくるので不安定なのがよく分かる。今も昔もかっちり線引きをしてことが収まる地域ではないのですね。(中東情勢も同じ)

キーワードは「共産主義国家」「エンベル・ホッジャ」「鎖国」「国家ネズミ講騒動」「ヨーロッパの北朝鮮」と刺激的なんだが,読んでいくうちに,徐々にアルバニアという国が浮かび上がるという感じ。文化・経済・政治・歴史を作者が縦横無尽に意のままに操り,アルバニアが見えてくるのである。

著者の井浦伊知郎氏はもともと理系の出(岡山操山高校出身)。なのになぜかバルカン諸語を学ぶうちにアルバニア専攻になってしまい,いつのまにか第一人者,という感じかも。書き方が独特(カッコが多い)なので,ストライクな人とそうでない人が分かれそう。(年齢もほぼ同じせいか,僕は好き)

http://hb6.seikyou.ne.jp/home/iura/studime.htm

http://hb6.seikyou.ne.jp/home/iura/

今は言語学の教授なので,言語にまつわる記述は非常に詳細で専門書っぽい書き方になる。

ちなみに私の学生時代の専攻も言語学なので,巻末のアルバニア語概略や文法説明は記述方法がとても懐かしい。文学ではなく語学系統学科やゼミで学んだ人はストレスなく読めるだろう。それ以外の人にはちょっと特殊なので,言語関係は飛ばしてよんだほうがいい。(「インド・ヨーロッパ語族」や「バルカン諸語連合」などの用語に反応するかどうかがポイント)

ラテン・ロシア・ドイツ・トルコ・ギリシャ語などをかじったことがある人は,巻末のアルバニア語概説は資料として面白いかも。

カバーや帯に惑わされて,宝島系の本だと思わないほうがいいです。中身はいたって真面目。

けっこうページ数があるのですが,全部読まずに自分が知っている国から読み進めていくのがよいっす。

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