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2016年1月 2日 (土)

暴力の解剖学~神経犯罪学への招待~【エイドリアン・レイン著:紀伊国屋書店】

Dsc_1345

原題
The Anatomy of Violence --- The Biological Roots of Crime

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011266

年末から読み始めたが、あまりに面白くて一気に完読。

凶悪犯罪が起こり続ける要因は一体何だろうと思い、数冊読んでみたがこれが一番ショッキングで示唆に富むものだった。

昔から「プロファイリング」という分野は興味があったのだが、本書が扱うのはそれが科学の進歩とともに進化した「脳神経犯罪学」というもの。

犯罪者のプロファイリングを、従来からある生育環境などの社会的要因に、遺伝子・脳などの生物学的要因を加味してある。

素人が「こう思う」とか「こう感じる」などのレベルではなく、科学的に統計をとった研究がベースになって裏を取っているし、本人の研究・主張もきちんと根拠がある。

犯罪者を作り出す要素を丁寧に確定していき、読めば読むほど、自分のなかにある「確信めいたもの」が出来上がってくる。

ただしそれは、従来からの倫理的な側面からすると「そう考えるべきではない」ものだ。

これだけのデータを突き付けられると、「そう判断せざるをえない」のだ。

自分の周りに「その要因」を多く抱える人間が実際に存在するし、恐ろしいのはその要因を「自分が全く保持していない確証はないということに気がつくのだ。

では、その要素を持つ確率が高いものを排除するにはどうすればいいのか。


筆者は後半で、それが実行された架空の未来を描きながら、では私たちがどうしたらいいのか考えさせてくれる。

筆者自身は結論を出してはいない。極限の科学が我々を守る理想世界と人権感覚あふれる理想の世界との間で揺れている。

ただし、知っておかねばならないのは、その科学が支配する現実がもう実行されていて、実際に一般の人間が守られているという事実。

起こった犯罪の後処理、対応にかかる損失とそれを予防するためにかかる費用とどちらが少ないか。結論は明確なのだが・・・・そうするということは・・・・。

本書を読むと、昨今の凶悪犯罪者だけでなく、「なんでこんな事件が」の背景が見えてくるし、「だから起きたのか」と腑に落ちる。

犯罪者の「要素」を持つ環境・要因・「遺伝子」を持つ人にどう接していくことが、いちばん損失が少ないのか。

ニュースやメディアを賑わす凶悪犯罪を起こす人間にどう対処したらいいのか、どうしたら減らせるのか。

「犯罪」というキーワードを読み解くには絶好の書だ。

読んだ後、自分のなかにはある結論が出たのだが、一瞬でもそう考えてしまう自分が怖い一書でもある。

読んで爽快、ではなくむしろ後味はよくないのだが、買って損なし。


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