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2016年11月25日 (金)

国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)

Kuni

最近読んだ中ではとびぬけて面白く、久々にほぼ一気読みしてしまった。

タイトル通りの内容だと思って読んではいけません。

単なる戦争や軍隊の本でもありません。

右だ左だ・・・・・というレベルの話で終わらない本ですが,一読の価値あり。

オススメ本です。

軍隊ってのは,「誰かのために自分の命を『差し出してもいい』」と思っている人間の集団でないと成立しない。

でも,実際には戦闘経験のない自衛隊では,自分を殺そうとする相手を目の前にして・・・・・は限りなく模擬体験しか出来ないわけで・・・・。

そういった中で,不審船事件などをうけて創設された「特殊部隊」,ある意味国防最前線の集団が,どのように生まれ,通常どういった運営されているのかを垣間見ることが出来る本だ。

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ここからはランニング以外の重い話は嫌いな人は読まないでください。(西もも@にとってはランニングに大きく関係しますが)

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自分の職業が何であるかは考慮せず,いち人間としての想い。

西もも@父は元自衛官。会った事もない母方の祖父はフィリピンで戦死。

実家は奈義町なので,自分の中では小さいときから自衛隊は「職業」としての位置づけ。

駐屯地はよく入ったし(演習場も!),茶灰色の服にも戦車や輸送車にもあまり抵抗感はない。

身近にあったぶん,むしろ,現実問題なくなったらどうすんの?と思っている。

爺ちゃんが戦死しているので,婆ちゃんから戦前前後の話はよく聞く。

爺ちゃんがどれくらい本気で自分の意志で戦争に行って,最期はどういう想いを持ってどこで死んだのかはとっても知りたいことの1つ。(遺骨は返ってないし,場所も不明のまま)

実は知人に,高校卒業してからすぐ自衛隊に入隊し,運動能力の高さゆえこの特殊部隊に一時所属した人がいる。

かなり精神的にも肉体的にも強い人物だったが,訓練が始まって少しして私に会いに来た時,「おかしくなりそうだ」と泣き言を言って,予言通り暫くして除隊した。

そういった部隊に残る人物,去る人物についても,著者の伊藤氏の眼差しは非常に優しいのだ。

個人的な意見だが,メディアで流れる軍事関連のニュースはかなりコントロールされていて,泥臭い血なまぐさい現実の情報は流れてこない。それを我々のような素人がああだこうだと述べてもね・・・・・と思っている。(私は判断の根拠にもならないので,言えない)

スポーツ,教育と同じで,誰が何言ってもいいんですけどね,前提条件がないと単なる放言になる。

そういった大本営メディアや政治が流す,表層的な「浄化された」情報ではなく,(除隊後も機密保持があるが)最前線を離れた人物の発言は大変貴重。

よくある軍事評論家や兵器オタクのコメントではなく,戦(殺し合い)の最前線にいた伊藤氏の言葉は,一行がとても重い。

「戦はいやだ」「戦争反対」

だれでもそうだ,当たり前。

でもそれを外交努力で避けられないから起こる戦いの最前線は,どういった人たちが所属していて,普段どんなことをしているのかを知ることが出来る本だ。

氏の人脈と経験から,各国の軍隊の質も分かって参考になる。自衛隊の弱点・強さ,米軍属の質・強さと脆さ。

著者,伊藤氏は政治的な立場を表明し,メッセージを送ろうとして書いてはいない。

私には

「なぜこういうふうにして今も生きているのだろう」

「自分はどうこの生命を終えたいのか」

自問自答する機会を,この出版によって得られて感謝している

そう思えた。

そして

自分はあまり普段こういった軍事の話は興味があっても公言しないのだが

この本を読み終わって,今まで小さい頃から頭のなかにあったものが,かなり明瞭な形になった。

たぶん,伊藤氏の「生きる,死ぬ」ということへの自問自答に共感したのだろう。

そう,自分を傷つけ,傷める機会がないと,その疑似体験さえも出来ない。

自分なりのレベルでランニングに取り組むのは

もしかしたらその疑似体験を求めているのかもしれない。

ちょっと飛躍しすぎた。


自分はまだ生きていたい,したいこともたくさんある。

一度は事故でちょっと「死」や「痛み」「苦しみ」に接してしまったからかもしれないが

意せずして命を失った人の,最期の痛みや想いについつい心が向いてしまう。

じいちゃん,あの日何思って,どう感じて目を閉じたんだろう?

もちろん,毎朝毎晩遺影に語りかける92歳の婆ちゃんにも分からない。

伊藤氏は今も無事に生きているが,きっと自分の死が身近にある人生をある時期歩んだからこそ,この本が書けたのだろうと思う。


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